●残業代
@年俸制だから残業代は出ないといわれた
@ノルマに追われ毎日長時間働いているが残業代をもらったことがない
@うちは○○手当に残業代が含まれている
残業代未払いの相談は後を絶ちません。
厚生労働省は、このような残業から深刻な過労死にいたる事を企業に周知するため、過労死ライン80時間と設定しました。2020年4月より法律が改正されました。しかし残業は、原則「禁止」となっています。1日8時間・週40時間以内、休日は毎週少なくとも1回とし、これを超えるには、36協定の締結・届出が必要となります。過労死ラインを設定するまでもありません。
残業は、労働者個人の問題ではなく、会社側の都合です。行き過ぎた経営方針や労務管理上のペナルティとして請求していきましょう。
@最近は「基本給に含まれている」とする会社も登場しています。年俸制でも残業代を請求できるケースもあります。
手当や基本給に残業代を含める場合は、残業時間を含んだ定めを就業規則に明記し周知徹底することが必要ですし、組み込まれた時間を超える分はバックペイで過去にさかのぼり会社が支払うよう請求できます。
法律ではバックペイの請求は2年で時効となります。
請求する場合は請求の根拠が必要です。タイムカードのコピーを取る。コピーが難しければ写メをとる。毎日の出退勤時間を手帳に記録する。退社時に送ったメールを保存しておく等々。自分で工夫して記録してください、必ず後で役立ちます。
●休憩時間に電話番をしているが…
@『事務職ですが、お客様からの外線に対応するため、毎日ではないが(月4~5回)出社している社員が交代で昼休憩をしながら電話番をしています。当番に当たらなければ外に出られますが、当番に当たるとコンビニでおにぎりを買って来て休憩しながら電話番をしています。これって仕事をしていることになるのでは?』という相談が来ました。
少人数の職場ではこうした事例がおきやすいですね。これは完全に労働していることになりますので、使用者は別に休憩時間を与えなければなりません。
休憩時間には3つの原則があります。
①労働時間の途中に
②一斉に(運輸、商業、接客業など一部業種は免除されている)
③自由利用できる
の3つです。
相談者の場合は②③に違反していたので、労働相談情報センター(労政事務所)を紹介し、そこから会社に改善を申し入れ解決しました。