●有給休暇が取りづらい
Q1.有給休暇が発生しているのに会社から何も言ってきません。自分からは言い出しにくい。どうしたらいいか?
Q2.有給休暇を申し出たら「忙しいから駄目だ」と言われた。
Q3.友人と旅行を計画、連続5日間の有給を申し出たら「うちは連続の場合3日間しか認めない。いやなら辞めろ」と言われた。
Q4.有給申請書にいちいち理由を書かされ、理由によっては拒否される。許されるのか?
Q5.退職するので残っている有休消化を申請したら拒否された、等々。
有休に関して様々な相談が来ています。
有給休暇は6ヶ月継続勤務すると発生し、さらに1年継続勤務する毎に新たに付与されます(付与される日数は勤続年数により決められています)。
2019年4月1日から、すべての企業で、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(パート、管理監督者ふくむ)に対して年5日については使用者が時季を指定して取得させることが義務づけられるようになりました。
本来、有給休暇は労働者が指定した日に取得できます。
会社にも時季変更権というものがあります。行使には具体的で高度な理由が必要であり、就業規則への明記がなければ有給を会社が指定日を設けることはできません。
今回の法改正による会社の時季指定は、本来労働者が自発的に有給を取得する事を促す側面と有給取得できない職場であっても最低5日の有給をとるよう会社に義務付けたものとしてとらえるべきでしょう。
取得は1日単位でも数日まとめてでもかまいません。会社が理由を問うことも、理由によって拒否することも許されません。そもそも有休は「許可制」ではありません。労働者から申請があったら会社は受け入れなければなりません。
退職に当たり残有休を申請したら拒否されたケースですが、退職の場合は、会社の時季変更権も存在しないのですから、この会社の対応は完全な嫌がらせです。労基署や組合に相談しましょう。なお、有給休暇は退職してからでは請求権が消滅します。問題と感じている方は在職中に相談してください。
●パートだから有休は無いといわれた
@『「貴方はパートだから有給は無い」と言われた。本当でしょうか?』という相談です。
1日4時間、週4日労働(週16時間労働)で3ヶ月の契約を繰り返し、1年3ヶ月継続して働いている方からでした。パートなどの短時間労働者でも6ヶ月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合には、勤続6ヶ月で有給休暇が比例付与されます。
週30時間以上、週所定労働日数5日以上(あるいは年間217日以上)のパート労働者は通常の労働者と同日数の有給休暇が発生します。これは労基法での定めですから会社でどう決めようと関係ありません。堂々と取得しましょう。
●慶弔休は、再雇用者にはないと言われた
@2020年に施行された同一労働同一賃金の原則には「不合理な労働条件の禁止」が明記されており、適用されるのは賃金面だけではなく福利厚生にも配慮するよう記されています。慶弔休は、社会保険のような法で定めていない会社が個別に定めたものですが、そこで働く者が就業規則上明記された慶弔休を再雇用者も平等に申請することができます。派遣社員も同等です。その他、健康診断での休暇、病気休職なども同様に扱われます。